
嘉瑞工房 [link]
結婚式を控えて、「結婚証明書」というものを、つくりる。
結婚証明書とは、人前式で行う場合に、宗教色のある結婚式で
それぞれの神様にちかう代わりに、参列者に誓うったことを
記録として残しておくためにあるようなもののよう。
とはいえ、とわいえ、婚姻届けと違って、法的な形式もないし、
一般的にフリースタイル。
せっかくだから、控えめに、さりげなく、それでも大切に
飾っておけるようにと思い、少々張り切りる。
で、元SFC生らしく、グーテンベルクから続く印刷技術、
活版印刷。(あとづけ)
彼のお友達のデザイナー、磯田さんにご紹介いただき、
嘉瑞工房の高岡さんにお願いしました。
さすが活版印刷! いきなり、マシンがお出迎え。
インクの匂いと、版の山にこころ踊らせながら、
お邪魔すると、その道では「知る人ぞ知る、the マイスター」だけあって、
お店の中に入ると、あるはあるは、どこかで見た名前の名刺がぞくぞくと。
活版印刷のことを何も知らずに、しかも小ロットの案件で
のこのこやってきたのだけれど、
高岡さんがフェローを勤めるの英国のRSA(royal society of art)のことを
私が少しだけ知っていたこともあって、先生と生徒のように、
丁寧にいろいろ教えていただきました。
結局、依頼、校正確認、受け取りと3回足を運んだのですが、
行く度にプチレクチャーがあって、まるで夏休みの社会科見学。
まず、簡単な活版印刷と版と書体の話。

↑私たちの結婚証明書の版
まず初っぱなから面白かったのは、活版のフォントサイズは
コンピュータのようには行かないこと。
書体にはそれぞれ使われ方の歴史があって、
それぞれの用途によってフォントサイズの幅が変わってくること。
書籍用に多用されてきた書体は、6,8,9,10,12,14 (pt) などの
小さなサイズの版を各印刷屋さんでは用意していること。
レターヘッドやビジネスカードなどに用いられてきた書体は、
さらに小さいサイズばかり。
一方、レストランメニューや招待状、文書などに用いられるものは
24,18 pt などの大きなフォントサイズの版もある。
だから、コンピュータを使ってしまえば、
どのフォントでも如何様にもサイズを変えてレイアウトできてしまうけれど、
活版印刷ではそういう分けにはいかない。
書体自体も、それぞれの使われ方に合わせて発達したのだから、
ものによってはあまり大きなサイズで表示してしまうと、
本来美しい書体でも、見えにくくなってしまうものもある。
だからある程度、ルールを知っておくことは大切。
SFCの時に、書体のトーンの話は授業できいたことがあったけれど、
サイズのことは初めてで、目から鱗。
パソコンより近い距離で見られるiphoneの解像度(163 dpi)が
パソコンのスクリーンより細かい(72 dpi)みたいな、
スクリーンと人ならぬ、文字と人の視覚的な関係性の話で、
だいぶ、だいぶ、面白い。
Office系ソフトの、標準で表示されるフォントサイズとか
長年「謎」だと思っていたことが、帰りの電車の中で、
すとんと落ちる。
(Wordの12 pt/10.5 pt, power pointの32, 24, 18, 14, 12 pt など、など。ね。)
それからはじまって、街の中の文字の話、家電に印字する文字の話。
高岡さんの印刷屋さん以外の最近の仕事の話。
教育現場の話。(ちなみに武蔵美で教えていらっしゃるそう)
長い間、文字を並べて、版をつくって、刷ってきた、
そんな高岡さんは、文字と印刷のスペシャリスト。
文字と文字の隙間から世界を見つめてきた高岡さんと話していると、
私のすぐ隣の世界も違って見えてくる。
そんな高岡さんに仕上げてもらった結婚証明書も、誇らしげにできました。
0 件のコメント:
コメントを投稿