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いよいよ、今週末はハワイで挙式です。
荷物を詰めるために、実家にしばらく帰りました。
母のお店が忙しそうだったので、いつも通り、
父と2人でお寿司屋さんに行くことにしました。
飲食業の母は基本的に夜は仕事なので、中学生ぐらいの時から
お寿司屋さんは、いつも2人で行きました。
いろんな食べ方を進めてくれる、最近お気に入りの
お寿司屋さんがお休みだったので、正直「無念」と思いつつも、
私が高校生の時によく2人で行ったお寿司屋さんに行きました。
時間は既に9:30を回っていて、10:30閉店のその店は、
一通りお客さんが帰った後でした。
アンパンマン似のまんまる顔のマスターが、
「帰ってきたんだね、おかえり」と迎えてくれました。
いつものように、父は貝から、私は光り物から、
カウンターで二人そろってお茶です。
選挙の話、マスターも偶然私と同じ時に行っていたらしい
イタリア旅行の話をしました。
奥さんがでてきて、「こんばんは。」といいました。
するとマスターが
「覚えているかい。もうずっと前のクリスマスの頃に、白いふわふわのコートを
着ていた、女の子だよ。お前がほら、うちの子にもああいうの着せたいっていってた子。
あの時は、きっと幼稚園ぐらいだったよね。」といいました。
父とマスターは、私がこのお店に来はじめるずっと前から知り合いで、
随分お金持ちだった母方のおじいちゃんが買ってくれたウサギの毛のコートを着て、
父にだっこされた幼い私を今も覚えているそうです。
「いつもあやちゃんが来ると、あの夜のことを思い出すんだよ。
そうだ、いくつになったの?」といいました。
「28になったんですよ。」と私が言って、今週末に結婚するんだよ父がと伝えました。
「そうか、おめでとうございます。でもそれじゃあ、
もう20年いや25年ぐらいたっちゃったんだねぇ、
そりゃ俺たちも年取るねぇ、清水さん。」と言いました。
「はは、そうかぁ。そうだなぁ。25年。」とマスターと父は笑って、
そんな会話が途切れた時間に、私と、父と、マスターと、
なんとも言えない間があって、なんとなく変な気持ちになりました。
欧羅巴から帰国して、だいぶ近くへ引っ越し。
週末の挙式の内容も「両親への手紙」もなければ、
「過去回想ビデオ」も「父の挨拶」もない簡素で気楽なもの。
お互いに何もしんみりする所のない”流れ”の中にいると思い込んでいたのですが、
やっぱりこの瞬間、照れくささの真ん中に小さな寂しい気持ちの固まりを感じました。
お互いに、粉茶をすすりながら、ガリを食べ、父も私も今更のように、
「結婚する娘と父の宿命」的な空気を味わったのだと思います。
今夜はいつもの小洒落たお寿司さんではなく、
丸顔のマスターのお寿司屋さんがふさわしく、
なんだか、神様にしむけられたようでした。
結局その後は、父とマスターの共通の知り合いの話をして、
二人とも締めの巻物を食べ忘れたまま
マスターに「おやすみなさい」をいいました。
マスターは「気をつけて、いっぱい楽しんできてね」と言ってくれました。
そして、その夜、お風呂で小さく泣きました。
父は泣いたのでしょうか。
嘉瑞工房 [link]
結婚式を控えて、「結婚証明書」というものを、つくりる。
結婚証明書とは、人前式で行う場合に、宗教色のある結婚式で
それぞれの神様にちかう代わりに、参列者に誓うったことを
記録として残しておくためにあるようなもののよう。
とはいえ、とわいえ、婚姻届けと違って、法的な形式もないし、
一般的にフリースタイル。
せっかくだから、控えめに、さりげなく、それでも大切に
飾っておけるようにと思い、少々張り切りる。
で、元SFC生らしく、グーテンベルクから続く印刷技術、
活版印刷。(あとづけ)
彼のお友達のデザイナー、磯田さんにご紹介いただき、
嘉瑞工房の高岡さんにお願いしました。
さすが活版印刷! いきなり、マシンがお出迎え。
インクの匂いと、版の山にこころ踊らせながら、
お邪魔すると、その道では「知る人ぞ知る、the マイスター」だけあって、
お店の中に入ると、あるはあるは、どこかで見た名前の名刺がぞくぞくと。
活版印刷のことを何も知らずに、しかも小ロットの案件で
のこのこやってきたのだけれど、
高岡さんがフェローを勤めるの英国のRSA(royal society of art)のことを
私が少しだけ知っていたこともあって、先生と生徒のように、
丁寧にいろいろ教えていただきました。
結局、依頼、校正確認、受け取りと3回足を運んだのですが、
行く度にプチレクチャーがあって、まるで夏休みの社会科見学。
まず、簡単な活版印刷と版と書体の話。
↑私たちの結婚証明書の版
まず初っぱなから面白かったのは、活版のフォントサイズは
コンピュータのようには行かないこと。
書体にはそれぞれ使われ方の歴史があって、
それぞれの用途によってフォントサイズの幅が変わってくること。
書籍用に多用されてきた書体は、6,8,9,10,12,14 (pt) などの
小さなサイズの版を各印刷屋さんでは用意していること。
レターヘッドやビジネスカードなどに用いられてきた書体は、
さらに小さいサイズばかり。
一方、レストランメニューや招待状、文書などに用いられるものは
24,18 pt などの大きなフォントサイズの版もある。
だから、コンピュータを使ってしまえば、
どのフォントでも如何様にもサイズを変えてレイアウトできてしまうけれど、
活版印刷ではそういう分けにはいかない。
書体自体も、それぞれの使われ方に合わせて発達したのだから、
ものによってはあまり大きなサイズで表示してしまうと、
本来美しい書体でも、見えにくくなってしまうものもある。
だからある程度、ルールを知っておくことは大切。
SFCの時に、書体のトーンの話は授業できいたことがあったけれど、
サイズのことは初めてで、目から鱗。
パソコンより近い距離で見られるiphoneの解像度(163 dpi)が
パソコンのスクリーンより細かい(72 dpi)みたいな、
スクリーンと人ならぬ、文字と人の視覚的な関係性の話で、
だいぶ、だいぶ、面白い。
Office系ソフトの、標準で表示されるフォントサイズとか
長年「謎」だと思っていたことが、帰りの電車の中で、
すとんと落ちる。
(Wordの12 pt/10.5 pt, power pointの32, 24, 18, 14, 12 pt など、など。ね。)
それからはじまって、街の中の文字の話、家電に印字する文字の話。
高岡さんの印刷屋さん以外の最近の仕事の話。
教育現場の話。(ちなみに武蔵美で教えていらっしゃるそう)
長い間、文字を並べて、版をつくって、刷ってきた、
そんな高岡さんは、文字と印刷のスペシャリスト。
文字と文字の隙間から世界を見つめてきた高岡さんと話していると、
私のすぐ隣の世界も違って見えてくる。
そんな高岡さんに仕上げてもらった結婚証明書も、誇らしげにできました。
8月19日(水)
新しい、歯医者さん帰りに目黒のwestにて、彼と一緒にミントのお茶。
待ち合わせして、歯医者に行って、ご馳走になって、またわかれて。
なんだかデートみたいだ。
8月20日(木)
新宿虎屋にて、会議帰りの父と抹茶グラッセとお菓子。
最近は甘いものをかなり控えていたのですが、昨日はちょっと解禁。
甘党の父はあんみつ。「丁寧に煮たお豆は、おいしいね、」といいながら、
隣で山盛り宇治金時をがっつくOLたちを、思わず食い入るように見てしまう。
人が上質のかき氷を、ものすごい勢いで消費していく姿をみるのは、すごみがある。
と、2日続けて、ちょっと贅沢なお茶。
日本ってこういう一杯のお茶の幸せ度もコストも高い所だなぁ。
stich by stich [link] 東京都庭園美術館
清川あさみ [link]
今日は庭園美術館に行きました。
彼の会社の次の駅なので、一緒に電車にのり込み、
一緒に遅い出勤です。
蝉時雨の森の中を、もくもくと歩く。
サングラスをもっていったのに、光の強さに、軽い頭痛。
どうしても、目の調子はこの夏も良くなく、サングラスは必需品。
清川あさみさんの写真や造花の上に刺繍する作品が素晴らしい。
写真の上に刺繍する作品はとても今っぽく、造花の上に刺繍する作品は、
とてもクラシカルで、どくどくしさの中にも女の子らしい嬉しい感覚。
好きか嫌いかといば、どちらでもないけれど、とても上手な感じ。
頭の良さと自分の強さがあいまって、とてもいいと思う。
美術館で始める一日は、悪くない。